[解説・意味]
14枚目のアルバム『Saviors』からの先行シングルカットで、タイトルの通りジレンマを歌った曲。2023年12月発売。
2012年のiHeartRadio Music Festivalのステージ上でビリーは「バスケット・ケース」の演奏中に残り1分と表示されたモニターにブチ切れて、ギターを何度も叩きつけて破壊したりと暴れ狂った。
その精神崩壊を機に、アルコール依存症のリハビリ施設に入院し、そこから5年間の禁酒中の期間は特に問題なく過ごしていたが、
徐々に飲酒の量が増えていき、気付けばまた酒に溺れる状態に戻っていた。
そしてこの曲も飲酒中に書かれた曲となる。
飲むのはダメだとわかっているのに、家族や周囲の人間に迷惑をかけると理解しているのに、でもどうしても飲んでしまう。飲まずにはいられないというジレンマだろう。
正直アルコールに限らず、煙草も薬物も一切やらない自分からすると「依存しうるようなものは最初から手を出さなきゃいいのに…」と思ってしまうし、
飲酒のジレンマの苦しさを体感したことはないけれど、
生活に支障を来す依存症まで至れば、それはもう精神の病だろうし、obsession(=強迫観念に取り憑かれたような状態)という言葉が出てきたので、
アルコールを飲まないと不安に耐えられないような精神状態をイメージして訳した。
[日本語訳]
我が問題へようこそ
これは招待ではなく
俺のジレンマなんだ
そして強迫観念でもある
シラフだったのに 今はまた酔っ払っている
頭を抱えているのにまた恋しくなってしまう
歩く屍にはなりたくないのに
歩く屍になんかなりたくないんだ
我が悪夢へようこそ
夢が消え去っていく場所
リハビリ施設で座っていると
実験用ネズミのような気分になってくる
異常な日々の再来だ
そして更に常軌を逸していく
俺が抱えるすべての問題に乾杯
俺はただ毒を飲みたいだけなんだよ
シラフだったのに 今また酔ってしまった
困りながらもまた愛さずにはいられない
歩く屍にはなりたくないのに
歩く屍になんかなりたくないんだ
ああどうして 今夜眠りにつく頃
微かな希望にすがっているのに
ああどうして お前から絶望と強迫の味がするんだ
お前から ああ!
シラフだったのに 今はまた酔っ払っている
頭を抱えているのにまた恋しくなってしまう
歩く屍にはなりたくないのに
歩く屍になんかなりたくないのに!
[Lyrics/歌詞]
Welcome to my problems
It’s not an invitation
This is my dilemma
And it’s my OBSESSION
I was sober, now I’m drunk again
I’m in trouble and in love again
I don’t wanna be a dead man walking
I don’t wanna be a dead man walking
Welcome to my nightmare
Where dreams go to disappear
Sit around in rehab
Feeling like a lab rat
Strange days are here again
And it’s getting weirder
Here’s to all my problems
I just wanna drink the poison
I was sober, now I’m drunk again
I’m in trouble and in love again
I don’t wanna be A DEAD MAN WALKING
I DON’T WANNA BE A DEAD MAN WALKING
Oh why, when I fall asleep tonight
On the wing and prayer
Oh why, for despair and obsession on you
You, yeah!
I was sober, now I’m drunk again
I’m in trouble and in love again
I don’t wanna be a dead man walking
I don’t wanna be a dead man walking!
on a wing and prayer=かろうじて、運にすがって。
語源は酷く損傷した戦闘機が、パイロットの祈りによって飛んでいるようだったから。
for despair and obsession on you は直訳だと「お前への絶望と執着のために」となるが、youが指すのは人ではなく酒なので、意訳で味とした。