[解説・意味]
以前この曲の記事を投稿していた2017年、音楽界で最も衝撃的だった出来事はLinkin Parkのボーカル、チェスター・ベニントンの自殺だったと思う。
世界中が衝撃を受けたように、自分も早朝4時頃にそのニュースを知って、本当に驚いて、信じられなかったし、ショックでしばらく言葉が出なかった。
チェスターの親友であるクリス・コーネル(サウンドガーデン)が2ヶ月前に同じように自殺で亡くなり、クリスの誕生日に合わせて後を追うかのようにチェスターも亡くなっているので、親友という心の拠り所を亡くした影響は大きかったんだろうけど、まさかこんなことになるとは誰も想像していなかったはず。
チェスターの奥さんが公開した自殺する36時間前のホームビデオを見ても普通に家族と笑い合ってるし、近くにいた家族ですら彼の精神状態には気付けなかったんだろう。
リンキン・パークは2013年のサマソニで一度観たことがあるだけなんだけど、その日のライブで一番印象に残った曲が「With You」で、2000年代を代表するアルバムの一つ、デビューアルバム『Hybrid Theory』の3曲目。
基本的に歌詞はバンドの中心である日系人のマイク・シノダとチェスターが書いている。
この曲の歌詞自体は正直、深かったり、感動するようなものではない。破綻した関係を歌っているだけ。恋愛相手というよりは男同士の友情・仲間へのメッセージに感じるけどどうだろう。
「どうしたらそんな声が出せるのか」という質問に対して、チェスターは「自分でもよくわからない」と答えていたけど、彼を失ったバンドはこれまでの歩みを凝縮したかのようなベストアルバム『Papercuts: Singles Collection (2000-2023)』を今年4月に出した。
そして来年、女性ボーカルを迎えて再結成ツアーを行うのではないかという噂がある。個人的にはチェスターの代わりはいないと思っているので大胆に性別を変えてしまうのは賛成。
エヴァネッセンスの「Bring Me To Life」のような化学反応が起きるかもしれないし。今後の動向に注目したい。
【追記】Dead Saraから女性シンガー、エミリー・アームストロングと新ドラマーのコリン・ブリテンを迎えて再結成し、『フロム・ゼロ』という新アルバムと共にリスタートした。
2025年2月にはさいたまスーパーアリーナで来日公演も行われるとのこと。
[日本語訳]
今日は目が覚めても夢の中だった
淀んだ冷たさへ 床へと凍える足を下ろす
昨日のことなどすっかり忘れていた
もう自分がいない場所で偽り続ける姿を思い出している
少しばかり感じる偽善
そして誤りを引きずっている 気付くのが遅かった
こんなに近くにお前はいるのに
いまだに距離を感じる お前を連れ戻すことができない
本当なんだ この俺の気持ちは
お前の顔へと誓っただろ
俺の記憶に塗られたお前の声
たとえそばにいなくても
俺はお前と共にいる
なあ やっとわかったんだ 全てを内に秘めたまま
共にいるんだ 目を閉じているときだって
俺がお前を殴ればお前は俺を殴り返してくる
俺たちは床に倒れて その日はずっと険悪なまま
これもあれも紙一重だ
物事がうまくいかないときは過去が現実ではなかったようなふりをする
今も俺はこの記憶に囚われ
過ちの跡に取り残されている 気付くのが遅かった
こんなに近くにお前はいるのに
いまだに距離を感じる お前を連れ戻すことができない
いや
俺たちがどこまで遠くに来ていたとしても
明日が待ち遠しいよ
お前と共に
[Lyrics/歌詞]
I woke up in a dream today
To the cold of the static / and put my cold feet on the floor
Forgot all about yesterday
Remembering I’m pretending to be where I’m not anymore
A little taste of hypocrisy
And I’m left in the wake of the mistake / slow to react
Even though you’re so close to me
You’re still so distant / And I can’t bring you back
It’s true / the way I feel
Was promised by your face
The sound of your voice
Painted on my memories
Even if you’re not with me
I’m with you
You / Now I see / keeping everything inside
You / Now I see / Even when I close my eyes
I hit you and you hit me back
We fall to the floor / the rest of the day stands still
Fine line between this and that
When things go wrong I pretend the past isn’t real
Now I’m trapped in this memory
And I’m left in the wake of the mistake / slow to react
Even though you’re close to me
You’re still so distant / And I can’t bring you back
No
No matter how far we’ve come
I can’t wait to see tomorrow
With you