[解説・意味]
そして、この曲の記事を投稿した2019年の11月には、46歳の細美さんの結婚も発表された。その年8月のthe HIATUSのライブMCで「俺もいつか結婚し、子供ができるだろう。そしたら…」と話していたのはそういうことだったんだな。おめでとう細美さん。おめでとう。
ってことで、そんな幸せな既婚者が書かなさそうなのがこの曲。昔の金髪細美さんは尖りまくっていたけど、尖っているとはちょっと違うんだよね。ストーリー性はあるけど主人公若干サイコパスっぽいし。
元ネタがあるのかも、なぜ男がそうしたのかもはっきりとはわからないけど、歌詞の物語を要約すると…
解釈を広げるなら、女の子の本物の笑顔をまた自分だけのものにしたかったとか、他の奴には渡したくなかったとか、自己愛が強すぎて何年経っても別れに納得できなかった、とかそういった理由があるのかもしれないけど、また一緒になることは叶わないから引き金を引いたわけだろうしね。彼の中の選択肢では、一緒になれないのならもう殺すしかなかったのでしょう…。
一見悲劇的で切ない物語っぽいけど、ストーカー感もある主人公の男に感情移入できないから、大量の笑顔の写真はまだ残されているのかな…さすがに処分されちゃうか…とか考えてしまう。
でもオシャレな曲だなと感じる。細美さんには珍しいストーリー性のある歌詞も、タイトルも、メロディも、完全にオルタナ期にあるエルレの音作りも、どれも取ってもセンスを感じて日本人が作った曲とはとても思えない。
この曲はストリーミング配信されているから、未聴の方はぜひ聴いてみてほしい。
[日本語訳]
ある物語を教えようか
哀れな少年の話さ
少年は千個の笑顔を持つ少女に出会った
彼は笑顔一つ一つに名前をつけて
部屋を彼女の写真で埋め尽くした
彼女が去ると沢山の笑顔以外は何も残らなかったんだ
さよならを言う直前に彼女を強く抱きしめて
彼はこう囁いた
「何一つ忘れないよ 許せないことなんてない
こんなことになるとは思わなかったんだ
わかってくれるかな
後悔することは何もない
いろいろと寂しくは思うだろうけど今は隠しておくよ
だって君は千通りもの笑顔を僕にくれたから」
それが起きたのは十数年後のこと
翌日は彼の23歳の誕生日だった
彼の怠惰な生活は少女を撃つことで終わりを告げた
彼はコンクリートの狭い檻の中で失われた人生を呪い
周囲を見渡して自分の手にはもう何も残っていないことに気付いた
別れの最後の瞬間に自分自身を強く抱きしめて
彼はこう囁いた
「何一つ忘れないよ 許せないことなんてない
こんなことになるとは思わなかったんだ
わかってくれるかな
後悔することは何もない
いろいろと寂しくは思うだろうけど今は隠しておくよ
だって君は千通りもの笑顔を僕にくれたから」
絞首台の前で自分自身を強く抱きしめて
彼はこう囁いた
「何一つ忘れないよ 許せないことなんてない
こんなことになるとは思わなかったんだ
わかってくれるかな
後悔することは何もない
いろいろと寂しくは思うだろうけど今は隠しておくよ
だって君は千通りもの笑顔を僕にくれたから
だから僕は平気さ」
[Lyrics/歌詞]
Shall I tell you a story
A story of a poor little boy
A little boy who met a little girl with a thousand smiles
He named each one of her smiles
He filled his room with her pictures
When she left there was nothing left but a thousand smiles
He held her tightly the last minute before goodbye
This is what he whispered
“There’s nothing I will forget
nothing I won’t forgive
I never thought I’d come to this
Can’t you see
Nothing I can regret
Nothing I won’t miss
but I can hide it for now
‘cause you gave me a thousand ways to smile”
It occurred a dozen years later
The next day was his 23rd birthday
His idle life ended up in shooting a girl
He cursed his whole lost life
in a tiny concrete cage
He looked around and found there´s nothing left in his hands
He held himself tightly the last minute before goodbye
This is what he whispered
“There’s nothing I will forget
nothing I won’t forgive
I never thought I’d come to this
Can’t you see
Nothing I can regret
Nothing I won’t miss
but I can hide it for now
‘cause you gave me a thousand ways to smile”
He held himself tightly in front of the gallows
This is what he whispered
“Nothing I will forget
Nothing I won’t forgive
I never thought I’d come to this
Can’t you see
Nothing I can regret
Nothing I won’t miss
but I can hide it for now
‘cause you gave me a thousand ways to smile”
Nothing I will forget
Nothing I won’t forgive
I never thought I’d come to this
Can’t you see
Nothing I can regret
Nothing I won’t miss
but I can hide it for now
‘cause you gave me a thousand ways to smile
so I’m alright”
前の和訳サイトの頃にエルレガーデンというバンドには大きな大きな動きがあって、まず自分がカミーノ巡礼の真っ只中にあった2018年の5月、10年ぶりの活動再開のニュースが飛び込んできた。
発表された「THE BOYS ARE BACK IN TOWN TOUR 2018」の3公演の内、どれか1つでも当たってくれ…絶対に行きたいんだ…と心から願い、スペインからチケットを応募したけど、残念ながら落選して行くことはできなかった。
海外からのスパムか何かだと思われたんだろうね。それからしばらく音沙汰はなかったが、翌年に夏フェスへの出演が発表され、僕はもうフジロックへ行った。というか、行くしかなかった。ええ、そういうことですね。
ここだけでは書き足りないんで、詳しくは本家ブログの記事をご覧ください。想いが溢れまくってます。長いけど。