[解説・意味]
Nirvanaのドラマーだったデイヴ・グロールはカート・コバーンの死後、自らがフロントマンとなりFoo Fightersというバンドを立ち上げた。
カートに引けを取らないソングライティング力と、その明るい性格による幅広い交流・活動の結果、見事にアメリカを代表するロックバンドになり、
その人気・実績は今ではニルヴァーナ以上と言えるかもしれない。音楽性はグランジよりもハードロック寄りのオルタナティブロック。
『Nevermind』のプロデューサーでもあるブッチ・ヴィグとの共同プロデュースで、
デイヴの自宅ガレージにアナログ機材を持ち込んで制作された2011年発売の7枚目のスタジオアルバム『Wasting Light』を締めくくるのがこの曲で、
歌詞からはカートの自殺を乗り越えたデイヴの想いが伝わってくる。
あの頃を懐かしく思う・少し老いてしまった自分だけど、今でも道に迷うことがあって、それでも何度だって立ち上がってここまで歩いてきた。絶対に死にたくないと思うほど大切なものができて、どんなに躓いても、また歩いていくさ、また話でもしようと、生き続けるという決意をしたデイブの想い。複雑な感情は消えないままでも。
I want to die（死にたい）と嘆いたカートと、I never wanna die（死にたくない）と叫ぶデイヴが対比になっているよう。
だがどちらが正解というわけではなく、それぞれの道を選んだ二人のリアルな想いが名曲として残り続けている。
素晴らしいよ。かっこいいよ。どちらもね。
ニルヴァーナの元メンバーとしておそらく生涯カートの死がつきまとうデイヴにとって「充分に待ったと俺は信じている」という言葉はとてつもなく重い。
彼は充分に悲しんだし、充分に悼んだだろう。だから世界中のファンが彼に惹かれている。
フー・ファイターズでの盟友、テイラー・ホーキンスの死も乗り越えて、去年のフジロックで歌われた「Walk」は強く胸に響いた。いつまでも歌い続けてほしい。
[日本語訳]
100万マイルも遠くに君の信号を捉えた
関係各位に告ぐ
どうやら道に迷ってしまったようだ
でも再出発するたびに上手くやれてるよ
もう一度歩いていくさ
充分に待ったはずだから
どこから歩き始めようか？
もう一度話してみるさ
充分待ったって君ならわかってくれるだろ？
どこから話し始めようか？
あの頃のことを覚えているかい
俺たちは紙の山を築いて
それが燃える様子を座って眺めていた
居場所を見つけられたんだと思う
強くなれているのを感じないか
小さき勝者たちよ
もう一度歩いていくさ
充分に待ったはずだから
どこから歩き始めようか？
もう一度話してみるさ
充分に待ったはずだから
どこから話し始めようか？
今 初めて
何も臆することなく
自分を解き放つ
一瞬一秒を生き続けるために
まだ胸の内にある嘘吐きへの言葉
犠牲 生き抜くために知っていること
最初の下り坂 新たな心境
俺はひざまずいて お告げを求め祈っている
いつまでも いつだって 俺は死にたくないと
死にたくない 死にたくない
お願いだ 俺は絶対に死にたくない
自分の墓の上で踊り どんな火の中も駆け抜けていく
いつまでも いつだって 俺は死にたくないんだ
ここから去りたくない さよならなんて決して言わない
いつまでも いつだって
永遠に どんな時だって
もう一度歩いていくさ
充分に待ったはずだから
どこから歩き始めようか？
もう一度話してみるさ
充分待ったって君ならわかってくれるだろ？
どこから話し始めようか？
もう一度歩いていくさ
充分に待ったはずだから
もう一度話してみるさ
充分待ったって君ならわかってくれるだろ？
[Lyrics/歌詞]
A million miles away
Your signal in the distance
To whom it may concern
I think I lost my way
Gettin’ good at startin’ over
Every time that I return
Learnin’ to walk again
I believe I’ve waited long enough
Where do I begin?
Learnin’ to talk again
Can’t you see I’ve waited long enough?
Where do I begin?
Do you remember the days
We built these paper mountains
Then sat and watched them burn
I think I found my place
Can’t you feel it growin’ stronger
Little conquerors
Learnin’ to walk again
I believe I’ve waited long enough
Where do I begin?
Learnin’ to talk again
I believe I’ve waited long enough
Where do I begin?
Now
For the very first time
Don’t you pay no mind
Set me free, again
To keep alive a moment at a time
That’s still inside, a whisper to a liar
The sacrifice, the knowing to survive
The first decline, another state of mind
I’m on my knees, I’m prayin’ for a sign
Forever, whenever, I never wanna die
I never wanna die, I never wanna die
I’m on my knees, I never wanna die
I’m dancing on my grave, I’m running through the fire
Forever, whenever, I never wanna die
I never wanna leave, I’ll never say goodbye
Forever, whenever
Forever, whenever
Learnin’ to walk again
I believe I’ve waited long enough
Where do I begin?
Learnin’ to talk again
Can’t you see I’ve waited long enough?
Where do I begin?
Learnin’ to walk again
I believe I’ve waited long enough
Learnin’ to talk again
Can’t you see I’ve waited long enough?
